闘う1980年代 社会運動史研究6
大野光明・小杉亮子・松井隆志 編
出版年月日 2025/7/20
ISBN 9784788518841
A5・200ページ
2,860円(本体2,600円+税)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b664811.html
「日本の一九八〇年代は、消費社会化が進みバブル経済に浮き足だった時期、脱政治化された時代として描かれ、この時期に社会運動は衰退・退潮、あるいは穏健化し、その存在感が希薄になったなどと言われてきた。このようなイメージは、一九六〇年代後半から七〇年代初頭を、学生や労働者の「過激」な運動が展開された「政治の季節」として対照的に位置づける言説と、半ば対のようにして、現在までマスメディアや学術界で繰り返されてきた。本特集の出発点は、こうした一九八〇年代の一般的イメージに異議を申し立てることにある。」
「一九八〇年代の反天皇制運動、指紋押捺拒否闘争、レズビアン解放運動、女性のサークルづくり、反基地・反核運動、地域労働運動、大衆的な消費者運動に関する論考とインタビュー記録を掲載している。これらからは、八〇年代に闘っていた人びとの姿が立体的に浮かび上がってくるはずだ。」
「冷戦対立や新自由主義の胎動のさなかに、体制にさまざまな亀裂を生じさせ、変革をめざした人びとの具体的な動きがあった。一九八〇年代運動史のなかから、そうしたさまざまな実践の遺産を一つ一つ拾い上げ現在に投げかけるべく、本特集は編まれた。」
(本書・編者「「脱政治化の時代」を問いなおす──社会運動史から迫る一九八〇年代」より)
ーーー目次ーーー
<特集 闘う1980年代>
「脱政治化の時代」を問いなおす──社会運動史から迫る一九八〇年代
大野 光明・小杉 亮子・松井 隆志
インタビュー 天野 恵一さん
一九八〇年代の運動空間──反天皇制運動を軸にした政治的社会運動の〈経験〉から
聞き手:松井 隆志
インタビュー 朴 容福さん
反外国人登録のための「共闘の技法」──指紋押捺拒否予定者会議による集団的抵抗の軌跡
聞き手・解題:金 由地
レズビアン解放運動の軌跡とその変容──東京圏、一九七〇年代半ばから八〇年代後半まで
杉浦 郁子
草の根の女性たちの時代経験──一九七〇〜八〇年代「てくてく勉強会」とむらき数子の航跡
和田 悠
インタビュー 新倉 裕史さん
「基地の町」に根ざし、人びととつながり運動を続ける──横須賀の反基地・反核運動の一九八〇年代
聞き手:大野 光明・松本 麻里
職場闘争から地域主軸の運動へ──一九八〇年代労働運動の衰微と転形
兵頭 淳史
大衆動員の成果と課題──一九八〇年代の消費者問題「百花繚乱」をめぐって
原山 浩介
社会運動アーカイブズ インタビュー 中島 雅一さん(鵜飼町666──水田ふう・向井孝の書棚)
少人数でまずやってみる──水田ふう・向井孝の書棚を残すオンライン・アーカイブズ
聞き手:大野 光明・小杉 亮子・松井 隆志
シリーズ・方法の探求 インタビュー 黒坂 愛衣さん
被差別体験の発話が生まれる場に立ち会う──聞き取りがひらく可能性
聞き手・構成:小杉 亮子
編集後記
なぜ私たちは『社会運動史研究』を始めるのか
バックナンバー案内
執筆者紹介
装幀 川邉 雄
装画 A3BC